温度制御の手引き Page2 |
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温度制御対象の特性
私たちは初対面の人と話しをする場合、相手の性格も前もって知っていればスムーズに話しをすすめることができます。温度制御でも同じことがいえて、最適な制御を行うためには、制御対象の性質をよく知っておく必要があります。それでは制御対象の性質はどのようにして知ればよいでしょうか。 私たちが箱の中身を知ろうとするとき、箱をたたいてみたり、振ったりして内部の反応をさぐります。温度制御でも、制御対象の性質として“動特性”を問題にします。動特性を調べるには、それを少し動かしてみて、どのような動きをするかを確めて判定します。その方法に“ステップ応答法”と“周波数応答法”がよく用いられます。
動特性と静特性
制御対象が入力を受けると影響を受けて、その結果が出力となってあらわれる動的パターンは、制御対象の特性によっていろいろあります。たとえば、お風呂の温度はガスバーナに点火すると徐々に上がって、やがて一定温度になりますが、お寺のつり鐘を叩けば“ゴーン”としばらく振動して、静かになっていきます。
制御対象の信号関係
上図は、温度制御系の制御対象に入−出力される信号の関係です。操作量(m)、外乱(d)制御量(c)の間の相互関係で制御対象を知ることができます。
ステップ応答法
ある時間まで零で、その時刻からあとは他の一定値をとる入力をステップ入力(step input)と言い、ステップ入力による応答をステップ応答(step response)または、インディシャル応答(indicial response)と言います。 ステップ応答は、バネはかりに計量物を載せた時の指針の動き、電動機のスイッチを入れた時の速度の変化、電気炉の供給電圧を変えたときの温度の変化など、日常生活にも色々な例があります。
上図のステップ応答では、@のようにゆっくり応答をおこしてだんだんとおちつく形、Aのように目標の値を行き過ぎたりもどり過ぎたりしながらだんだんとおちつく形(減衰振動)などがあり、Bのように発散する応答を示すものもあります。
周波数応答法
ある時間から振動的に交互に大きさが変化するような入力があります。たとえば、箱の中身に何が入っているのかな?と箱を振るときも振動的な入力を与えていることになりますし、バネで吊った物体の上下振動、未熟な人が自転車を運転しているときのハンドルの切り方のような入力の変化は三角関数のsinまたはcosであらわされます。この入力を正弦波入力(sinusoidal input)といい、正弦波入力による応答(出力)を周波数応答(frequency response)と言います。
平衡状態(安定した状態)にある制御対象に、振幅が一定な Asinωtなる正弦波入力を与えた場合の応答は、上図に示す@のように、はじめは多少乱れても、入力の正弦波に近いもの、Aのように発散するものがあります。このような正弦波入力に対する応答については、初期の過渡的な状態を無視して、ある程度時間がすぎた後の定常状態の波形に着目して理論的な解析を行います。
二次おくれ要素
上図に示すように、制御対象からの応答,立ち上がりが遅くS字状の応答を描く性質のものを二次おくれ要素といいます。
二次おくれの性質を持つ要素の例としては、上図に示すような2つの容量をもつ制御対象や電気回路などがあげられます。さらに容量の数が多くなってもS字形となることには変わりなく、また遅れが一層目立つことになり、これを高次おくれ要素といいます。一般に温度の変化は、高次おくれとなって検出されます。
むだ時間要素
上図のように、A点で染料(入力)を加えた時、その応答(出力)はB点では(AB/流速V)時間だけおくれ、その間は全然応答があらわれません。すなわち入力信号がある時間Lだけおくれて伝わるような要素をむだ時間要素(dead time element)といい、おくれ時間Lをむだ時間(dead time)といいます。
むだ時間は、操作を加える点と検出点がある程度へだっているような場合にあらわれます。むだ時間が大きいほど、制御結果はハンチングやオーバ−シュートを起こしやすく、温度制御では出来る限りむだ時間を小さくする必要があります。
熱容量
一般に加熱制御の対象は、ヒータ自身とヒータが加熱する物の2つに分けられます。ヒータの加熱する力の度合いを表すのが「ヒータ容量」であり、ヒータが加熱する物の熱的な大きさを表すのが「熱容量」です。
外 乱
安定な状態にあるものを乱そうとする外的作用を外乱(disturbance)といいます。
<外乱の原因>
<外乱の改善>
どうしても上記のようなことが出来ない場合は、以下の方法があります。
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